MMR vaccine MMRワクチン (麻しん・風しん・おたふく風邪の混合ワクチン)

ニュージーランドは麻しん (はしか) の感染リスクが高い国です。2度のワクチン接種を受けていない方や、麻しんにかかったことがない方は感染の可能性があります。国内在住のすべての未成年者と公費負担医療制度の対象となる19歳以上の成人は、MMRワクチンを無料で受けられます。

麻しん流行のリスク

今年もすでに国内の感染例が報告されています。

麻しんの予防接種率が低いため、1人の患者から急速に感染が拡大することも考えられます。

大流行を予防するには接種率を95%以上に高める必要があり、予防接種を受けられない新生児や重度の免疫不全患者を守ることにもつながります。

平均的に1回の接種で感染を95%予防でき、2回接種すれば予防効果は99%以上まで上がります

MMRワクチンの予防効果

MMRワクチンは、3種のウイルス感染症 (麻しん・風しん・おたふく風邪) から健康を守ります。

麻しん

麻しんは重い合併症を引き起こす可能性のある、ウイルス感染症のひとつです。未接種の方が患者と接触すると高い確率で感染し、他者へうつすことになります。

麻しんの症状は発疹・インフルエンザのような症状だけでなく、場合によっては脳の肥大や肺感染といった深刻な状態に陥り、死に至ることもあります。

妊婦がかかると病状が重くなるだけでなく、胎児に影響する可能性もあります。

詳しい症状・感染拡大・治療法について情報をご確認ください。

麻しん

おたふく風邪

おたふく風邪はウイルスによって引き起こされる感染症で顔の周りの唾液腺が腫れ、痛みを伴います。

場合によっては、難聴、脳や脊髄を覆う髄膜の感染症 (髄膜炎)、脳の炎症 (脳炎) などの深刻な合併症を引き起こすことがあります。

国内では2017年におたふく風邪が大流行しましたが、新型コロナウイルス感染症の発生に続く都市封鎖によって感染拡大が阻まれた結果、収束しました。

詳しい症状・感染拡大・治療法について情報をご確認ください。

おたふく風邪

風しん

子どもの頃にかかる風しんは、斑点状の発疹を伴う軽度のウイルス感染症で済むことがほとんどです。しかし、妊婦が感染すると、胎児に深刻な先天異常 (難聴・心臓欠陥・脳損傷など) を引き起こす可能性があります。

詳しい症状・感染拡大・治療法について情報をご確認ください。

風しん

MRRワクチンの接種時期

MMRワクチンは月齢12カ月目と15カ月目の接種が予定されていますが、大流行の兆しがある場合はそれ以前に予備の接種を受けられます。

18歳以下の未接種者は、滞在資格にかかわらず誰でも無料で受けられ、海外からの観光客も対象に含まれます。

国内在住者または公的負担医療制度の対象者であれば、18歳以上でも無料でMMRワクチンを接種できます。

  • 月齢6~11カ月の乳幼児

国内での麻しん流行時や、麻しんが流行している諸外国を旅行する場合、月齢6~11カ月の乳幼児には予防接種スケジュールよりも早く予備のMMRワクチンを接種することが推奨されています。詳しくはかかりつけの医師・看護師・医療従事者にご相談ください。

予備の予防接種を受けても、月齢12カ月と15カ月に予定されている2回の接種が重要であることに変わりはありません。

  • 月齢12カ月と15カ月の乳幼児

月齢12カ月と15カ月に無料のMMRワクチン接種が予定されています。

予防接種スケジュールを逃しても、あとから無料接種を受けられます。

予防接種を2回受けたかどうか確認できない場合は、とりあえず接種を受けてください。追加投与をしても健康へのリスクはありません。

  • 1989~2004年生まれの成人

1989~2004年生まれの成人の多くは、麻しんワクチンの接種を受けていません。

自分自身と地域社会を感染のリスクから守るため、MMRワクチンを接種してください。最大の免疫を得るためには、4週間以上の間隔をあけて接種を2回受ける必要があります。

接種履歴については、かかりつけの医師・看護師・医療従事者へお問い合わせください。

接種履歴を確認できない方は、できるだけ早く予防接種を受けてください。MMRワクチンは必ず2回接種する必要がありますが、たとえ2回以上接種しても健康上のリスクはありません。

次の項目に当てはまる方は、無料でMMRワクチンの接種を受けられます。

  • 18歳以下のすべての未成年者 (滞在資格は問わない)
  • 公的負担医療制度の対象者

公的負担医療制度の対象条件 — Te Whatu Ora Health New Zealand (external link)

  • 1969年以前に国内に在住した成人

1969年以前の国内在住者のほとんどは、麻しんの予防接種を受ける必要がありません。当時は麻しんが流行していたため、自然免疫を獲得しているはずです。しかし、海外旅行を計画している方は、かかりつけの医療従事者にご相談ください。場合によっては、予防接種を勧められることがあります。

  • 免疫不全患者

免疫力が大幅に低下している方 (抗がん剤治療中の患者など) は、MMRワクチンを接種できません。

免疫不全患者がいるご家庭では、患者以外の家族全員がMMRワクチンをすべて接種することが極めて重要になります。

国内で麻しんが発生したら、免疫不全患者はできるだけ人ごみに行かないなどの自己防衛策が必要です。

お子さんが通う学校や保育園・幼稚園で麻しんが発生した場合、安全上のお知らせがあるはずです。

  • 妊婦

妊婦はMMRワクチンを接種できません。妊活中の方は、麻しんや風しんに対する免疫力の有無を無料で確認できます。麻しんや風しんに対する免疫力がないことが確認された場合、18歳未満のすべての未成年者と18歳以上の国内在住者であれば、無料で予防接種を受けられます。

出産後にMMRワクチンの無料接種を受けることを勧められた場合は、できるだけ早めに受けてください。

妊婦と予防接種

  • 海外へ渡航する場合

麻しんが発生している国へ旅行する方は、ご家族や同行者も含め、MMRワクチンの接種が重要になります。

諸外国の麻しん発生状況は次のウェブサイトで確認できます。

全世界の麻しん発生状況 — Centers for Disease Control and Prevention (external link)

MMRワクチンの接種予約

麻しん・おたふく風邪・風しんの予防接種は無料で簡単に受けることができます。

13歳以上

13歳以上の個人または団体を対象とする予防接種のオンライン予約ができます。

13歳未満

13歳未満を対象とする予防注射の予約は、かかりつけの医師・看護師・医療従事者にご連絡ください。

3歳以上であれば、薬局でもMMRワクチンの接種を受けられます。 お住まいの地域でMMRワクチンの投与を行っている薬局は、Healthpointでご確認ください。

MMRワクチンの投与を行う薬局一覧 — Healthpoint (external link)

予防接種の団体取扱いを行うところもあります。ご家族全員で一度に予防接種を済ませられるかどうかは、かかりつけの医師・看護師・医療従事者・薬局へお問い合わせください。

予防接種の予約と各種支援の詳細

予防接種の予約方法と必要な各種支援に関する詳しい情報をご確認ください。 

予防接種に使われる薬剤の種類

現在、国内で使用されているワクチンはPriorixです。麻しん・おたふく風邪・風しんの予防ワクチンであり、最大の免疫を得るために1カ月以上の間隔をあけて2回接種を受ける必要があります。

国内では混合ワクチンのみが使用され、感染症別の専用ワクチンはありません。

Priorixは発症しないほど毒性を弱めた病原体 (細菌やウイルス) を含む生ワクチンです。少量の細菌やウイルスが免疫機能を刺激し、抵抗力をつけます。

Priorixの製品情報 – Medsafe (PDF 276KB)

副反応とアレルギー

多くの薬剤と同じようにワクチンも副反応を引き起こすことがありますが、接種者全員に副反応が出るわけではなく、出たとしてもほとんどの場合は軽症です。

軽い副反応は免疫反応の活性化を示すものです。

通常の副反応は接種後数日以内に発生します。ワクチンそのものは、接種後数時間から数日以内に体内から消失します。

予防接種後に見られる一般的な副反応:

  • 微熱
  • 穿刺部位の痛みや腫れ

その他の副反応

MMRワクチン接種後に見られる一般的な副反応:

  • 軽度の発疹 — 接種後6~12日間
  • 高熱 — 39°C以上の熱が接種後6~12日間続く
  • 頬・首・顎の下のリンパ腺の腫れ
  • 一過性の関節痛 — 接種後2~4週間

接種後15日から6週間にわたってあざのようなものが現れることも稀にありますが、6カ月以内には消える軽症です。

アレルギー反応

100万人に1人の割合で重度のアレルギー反応が起きることがあります。

投与担当者は事前に十分な訓練を受け、アレルギー反応の兆候や迅速な対応を熟知しています。

通常、重度のアレルギー反応は接種後数分以内に発生するため、接種後はその場に20分間待機して経過観察をしてください。

詳しい情報

一般的な副反応や注意すべき点、副反応が発生した際の報告に関する詳しい情報をご確認ください。

ワクチンの副反応、アレルギー反応、安全性

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